「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2015/03/07

土屋流、牡蠣と春菊の鍋

いつもの如く、何の予定もない週末。ヨーグルトと珈琲だけの簡単な朝食。朝風呂に入って、「汽車旅の酒」(吉田健一著/中公文庫)を読む。酒と毛抜き鮨を持って八高線に揺られてのんびり「何もない町」こと児玉町に行く話にうっとり。この毛抜き鮨はやはり神田小川町のあの鮨屋のものなのだろうなあ。

湯からあがって早めの昼食。板わさとだし巻きで冷酒を五勺。昼間から飲む酒はのどかでうまい。人間が上等になった気がする。のち、焼き鮭、御飯、油揚げと長葱の味噌汁。午後は食材の買い出しや読書など。「血統」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ 1073)。

夕食。実は私は牡蠣があまり好きではない。嫌いでもないが、牡蠣フライ以外は積極的には食べないという程度。しかし、「おとこ料理讀本」(矢吹申彦著/平凡社)に、「土手鍋の百倍はうまい」と書かれている簡単な牡蠣と春菊の鍋が気になって、試してみた。レシピというほどのこともない単純な料理で、土鍋に張った濃いめの昆布だしを酒、醤油、塩で淡く味つけし、牡蠣と春菊を煮て食べる。けして煮過ぎないでしゃぶしゃぶくらいのイメージで煮食いするのと、一味唐辛子を振って食べるのがミソ。お供はソーヴィニョン・ブラン。

この鍋料理は矢吹氏がコピーライターの土屋耕一氏から直伝されたものと言う。そして、確かにうまい。私でもこれだから、牡蠣好きの方には素晴しい料理かも知れない。お試しあれ。ちなみに、この鍋のあとの雑炊は滅茶苦茶うまかった。